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小話1

ノラのお話。

はっきりと出ておりませんが、セリフもありませんが、翁さん宅のサ劇団さんお借りです。





「あ?誰だお前ら???」

非番でやったー!って喜んでたら声かけられて、振り返ったら知らない奴ら。
俺はノラ・ノエル。正義のお巡りさん!
で、今目の前にいるのは今町に来ているサーカスの奴ららしい。
俺は町の平和を守る為に忙しいからな、サーカスが来てるだなんて知らなかった。
赤い髪の女の子が目を見開いてる。驚いてるんだと思う。
しかたねぇよ・・・本当に、分かんねえんだ・・・今の俺には。

俺には過去の記憶がない。
唯一覚えていたのは名前だけで、ボロボロの状態で発見された。
暫く入院して、俺を見つけた奴が身元引受人になった。
そいつは刑事してて、犯人をいつも追いかけてた。
家に帰れば笑った顔で今日は何があった、こんな事があったって話してくれた。
俺とこいつと、こいつの相棒のウインディ。名前は小人(コト)。
すんげー大きくて、名前詐欺だって俺は思ってる。
でもすんごくあったかいし、もふもふしてて大好きだ。
基本、コトは家にいる事が多いから、一緒にいたんだ。

何年してからだっけ・・・殺されたんだ・・・。

雨だからあいつ、傘持ってねぇだろうなぁって・・・迎えに行ったら、殺人鬼に出くわした。
あいつが追ってる犯人。殺人鬼もあいつを追っていた。
そして、俺は目を付けられた。
振り上げられた凶器は小型ナイフ。
聞いていた殺人鬼の特徴は、生きたまま殺す。
急所を外し、少しずつ、楽しみながら殺していく。
下ろされたナイフに対する痛みはなかった。代わりにあったのはいつも感じていた温かさ。
コトが危ないところを助けてくれた。
だけど、代わりにケガをした。
俺を丸めた体に隠し、犯人を唸る。
俺はただただ怖くて、震える事しかできなくて・・・。

「ノラ!」

慌てた声が辺りに響き、コトから顔を出すとあいつが俺とコトの前に立っていた。

「や~っと見つけた♪」

 


何があったのかは記憶が途切れている。
違う、きっと覚えているはずの記憶は封印された。
俺を庇うようにあいつが俺を抱きしめたまま、死んでいる。
その向こうで殺人鬼は笑って言った。

「また新しい鬼見つけないと」

ああ、そうか。
だった俺がなってなる。
お前を殺す鬼になってやるよ。

そう言ったら、そいつはニタリと笑って言った。

「それは楽しみだ♪」

 

それから俺は警官になった。
あいつを殺す鬼になる為に。

それが俺のこの町での記憶。
それ以前の物はない。
だから、俺は目の前のこの子を知らない。
この子は俺を知ってるかもしれないが、以前の俺を知りたいとも思えない。
だってそれは過去だから。

「悪ぃけど、人違いじゃねぇの?」

手を振りながら、その場を後にする。
本当はなんか懐かしい感じがした。

だから、まあ・・・暇だったら行ってやるよ。

 

 


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